先日、新日本有限責任監査法人が実施する「EY Innovative Startup 2017」をハウスマートが受賞しました。
「EY Innovative Startup」はこれから爆発的な成長が期待される「ホットトレンド分野」において、画期的なイノベーションを起こそうとするベンチャー企業を表彰する制度です。
今回の受賞では、ハウスマートが運営する不動産テックサービス「カウル」が不動産&流通テックの分野で受賞することが出来ました。
最近でこそ「不動産テック」という言葉が出始め、サービスも拡大期に入り、数多くの優秀なメンバーに恵まれている弊社ですが、その船出はとんでもなく無残なものでした。
はじめて出たピッチバトルで、惨敗
カウルのサービスを思いついたのは今からちょうど3年前。
その頃には不動産テックという言葉は全く世の中に出ていませんでした。
当時、楽天で働いていた私は共同創業者である三瓶くんと共に
「プロダクトの作り方も良くわからないので、とりあえずアクセラレータープログラムに参加しよう」
ということで、とあるプログラムに参加しました。
数回のメンタリングの後、プログラムの最終日にはピッチバトルが行われました。
ピッチバトルとは、アクセラレータープログラムに参加した各チームがサービスの発表をし合う場。
全部で7つほどのチームが、それまで練ってきたプロダクトの詳細、事業計画を発表しました。
↑当時のプレゼンの様子。プロダクトも全く出来ていませんでした
どのチームもシード期のプログラムでしたが、チームによっては既にプロトタイプが出来ているチームもありました。
一度でもピッチバトルを見たことがある方はお分りになるかと思いますが、プロトタイプがあり、デモがあるプレゼンと、絵空事だけのプレゼンでは説得力に雲泥の差があります。
当時の我々は正式なエンジニアもおらず、果たしてプロダクトが出来るのかも「?」な状態でした。
結果、ピッチの結果は、ほぼ最下位。
相当な、謎の自信があった私は大きなショックを受けました。
またピッチの後は、ベンチャーキャピタルや事業会社で活躍している方から質疑応答があるのですが、そこでもフルボッコ状態。
「そんなに凄いビジネスモデルであれば、なんで今まで出てこなかったの?」
「他の会社に出来なくて、君たちに出来る理由はなに?」
「不動産なんてイノベーション起こすの難しくない?」
と容赦のない質問の連続。
今でこそ、圧倒的に優秀なエンジニア陣と技術力を誇る弊社ですが、
「不動産の専門知識とITの技術があれば、必ずイノベーションが起こせる」
「すごいエンジニアとすごいサービスを創る」
「不動産の新しいスタンダードを確立する」
と言っても、絵空事にしか聞こえませんでした。
悔しさはとんでもないバネになる。
いつもはニコニコしている私ですが、根はかなりの負けず嫌い。
他の人から言われたことも、いつまでも記憶に残るタイプです。
ピッチバトルが終わった後の正直な想いを言えば「いつか見てろ」という様なものでした。
その後、ハウスマートは優秀なエンジニア、事業メンバーが次々とジョインし、人工知能やビックデータを活用した、全く新しい不動産取引のあり方を確立しつつあります。
メタップスの佐藤社長も仰っていましたが、どんなサービスが、どんな変遷を遂げ、最終的にどうなるかは、なかなか予想が出来ないものです。
世界は人間がぱっと評論できるほど単純ではないから、強烈な執着を持つものが嘲笑されながらもやり続け、結果的に大きな成果を作る。やり続けることは膨大なエネルギーが必要なので、理想や反骨心のような支えがないと難しい。「バカであれ」ってのは実は何重もの意味を含んでるなってよく思う。
— Katsuaki Sato (佐藤航陽) (@ka2aki86) 2017年1月15日
今振り返ると、ピッチバトルに参加したチームで、現在もサービスを運営しているチームは少数。
徹底的なシミュレーションや、ユーザーヒアリング、需要予測は必須ですが、その先は信念を持って、素晴らしい仲間と一緒にどれだけサービスを磨き上げることが出来るかにかかっていると思います。
EY Innovative Startup 2017も、あくまで通過点の通過点。
今年一年は、やりたかったサービスに一歩近づけるので、本当にワクワクしています。